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【こころのヒント】ストレスと抑うつ――こころが発する「ブレーキ」の役割

こんにちは。Arataカウンセリングルームの矢島です。

前回の記事では、私のカウンセリングのベースとなっている研究(批判との付き合い方)について紹介させていただきました。

今回は、日々の生活の中で誰もが抱える「ストレス」をテーマにお話しします。

「ストレス(緊張)」は敵ではない?

まず、ここではストレスを「心身の緊張状態」として見ていきます。

実は、ストレスや緊張感は完全に悪者というわけではありません。もし緊張感が全くないと、私たちは油断した無防備な状態をさらしてしまうことになります。適度に緊張感を持つことで、むしろ私たちのパフォーマンスは高まるのです。

しかし、何事も「過剰」になってしまうと問題が起こります。 過剰に緊張した状態では、身体はこわばり、頭が真っ白になってしまうこともあります。

そして、常に何かに警戒して緊張し続けてしまっては、こころが休まらず疲れてしまいます。終いには、食事どころではなくなったり、安心して深い眠りにつくことも難しくなってきたりします。

限界を迎えるとやってくる「抑うつ」の出番

そうして過剰な緊張が続き、こころのエネルギーがなくなると、いよいよ「抑うつ」の出番がやってきます。

「抑うつ」と聞くと、とてもネガティブな悪い状態のように思えますよね。確かに、抑うつはあらゆることからやる気を失わせます。仕事に集中できないし、これまで好きだったことすらやる気を持たせてくれません。

ですが、心理学的な視点から見ると、これはこころが強制的にかけた「非常ブレーキ」なのです。

すべてのやる気をストップさせることで、これ以上のエネルギーの浪費を防ぎ、私たちが生きるために最低限必要な「食事」や「睡眠」をとるためのエネルギーを、なんとか維持してくれているのです。つまり、抑うつはあなたを壊そうとしているのではなく、あなたを守ろうとしてくれている状態と言えます。

私たちの心身がたどる3つの段階

私たちのこころと体は、ストレスを受けてからこの「抑うつ(ブレーキ)」に至るまで、大きく分けて3つの段階をたどります。

  1. がんばりすぎてしまう段階(警告期): ストレスに対抗しようと身体が臨戦態勢に入ります。残業などが続いて無理をしてしまい、イライラや肩こりが出始める時期です。
  2. 常に警戒して戦い続ける段階(抵抗期): フルパワーでストレスと戦っている状態です。アクセルをベタ踏みしているため、不安や焦りが強まり、睡眠や食欲にも影響が出始めます。
  3. エネルギーが枯渇する段階(疲弊期): ついに限界を迎え、「抑うつ」というブレーキがかかる時期です。無気力になり、人や仕事を避けるようになります。

多くの人は、3つ目のエネルギーが切れた状態(抑うつ状態)になって初めて「大変だ」と気づきます。しかし、本当にブレーキをかけたいのは、その手前である「常に緊張して戦い続けている段階」です。「最近やけにイライラするな」「しんどいのに休めないな」と感じたら、それはこころからの危険信号です。

抑うつ状態から脱するために

もし今、エネルギーが切れて「抑うつ」のブレーキがかかっている状態なら、そこから脱するために一番大切なのは「安心して食事と睡眠をとること」です。

安心するためには、次のようなアプローチが効果的です。

  • 環境を整える: 今より少しでも安心できる環境や、ゆっくり休める場所を用意する。
  • 脳を休ませる: せっかく休める時間があっても、脳が「まだ危険はないか?」と必死に働かなくてもよい状態にしていく。
  • ストレッサーから離れる: ゆっくり深呼吸したり、安心できる人と話したりして、ストレスの源から少しでも距離を置く。

ひとりで抱え込まずに

「休まなければいけないのに、脳が緊張し続けていて休めない」 「どうやってストレスの原因から離れたらいいかわからない」

そんなときは、どうぞひとりで踏ん張りすぎずに、カウンセリングルームを頼ってください。今のご自身がどの段階にいるのかを一緒に客観的に整理し、どうすれば脳とこころを「安心」させてあげられるか、一緒に考えていきましょう。